デイサービス(通所介護)は自宅を使って開業できる?メリット・デメリットや注意点などを解説

「自宅を使ってデイサービスを開業できる?」
「自宅をデイサービスにするにはどうすればいい?」
など、デイサービスの自宅開業について知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
自宅を改装してデイサービスを運営するケースはありますが、介護保険法や建築基準法、自治体の条例など、満たすべき条件は少なくありません。
本記事では、自宅でデイサービスを開業する際の条件やメリット・デメリット、注意すべきポイントなどを解説します。
デイサービスの開業について詳しくはこちら↓
デイサービス(通所介護)の開業で必要なものは?立ち上げまでの流れなどを解説
自宅を「デイサービス」として開業できる?

自宅や所有している一軒家を活用したデイサービスの開業は可能です。 実際に、自宅や中古住宅などを改装してデイサービスを運営している事例もあります。
自宅を改装して運営されるデイサービスは「民家型デイサービス」と呼ばれ、アットホームな雰囲気と小規模な形態が特徴です。
しかし、自宅でデイサービスを開業するためには、すべての法令と介護保険法の指定基準を満たさなければなりません。
既存の自宅を事業所用途として法令に適合させるための大規模な改修が最大のハードルといえるでしょう。
自宅を「デイサービス」として開業するための条件

- 設備基準をクリアできる
- 居住スペースと明確に区画分けできる
- 自治体との事前協議で許可をもらう
自宅をデイサービスとして開業するには、上記の条件を満たす必要があります。それぞれ詳しくみていきましょう。
デイサービスの開業に必要な資格について詳しくはこちら↓
デイサービスの開業に必要な資格とは?指定基準などの条件についても解説
設備基準をクリアできる
- 食堂と機能訓練室の合計面積は1人につき3平方メートル以上の広さを設ける
- 相談室は相談の内容が漏えいしないよう配慮する
- 静養室や相談室及び事務室を設置する
- 開業する地域を管轄する消防長の規定にしたがって避難経路を確保する
デイサービスの設備基準では、主に上記の4点が定められています。
食堂と機能訓練室の広さは、利用定員を決める基準です。介助スタッフも同時に入室すると考えると 3平方メートルでは狭いため、余裕を持って広めに設計するとよいでしょう。
相談室は、利用者やその家族が安心して話せるようにプライバシーに配慮した空間づくりが求められます。 静養室は、体調を崩した利用者が休める場所として設ける必要があります。
また、避難経路や非常口などは自治体が定める消防法に基づいて整備する必要があるため、事前に所轄の消防署に確認しておくと安心です。
参考:・指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(◆平成11年03月31日厚生省令第37号)|厚生労働省
居住スペースと明確に区画分けできる
デイサービスの設備基準として、上記の規定があります。この規定により自宅でデイサービスを開業する場合には、生活スペースと事業スペースを分けるようにレイアウトをつくると認可が通りやすいといえます。
利用者が立ち入る範囲と家族の生活空間が混在していると、トラブルの原因になりかねません。
安全面やプライバシーの管理を徹底するため、出入り口や廊下、トイレなどの動線の共有は避ける必要があります。
「壁やドアで明確に区切る」「専用の玄関を設ける」など、区画を構造的に分離できるように設計するのが理想です。
改装の計画段階で、どの範囲をデイサービスとして使用するかを明確にして、図面に反映させておきましょう。
引用元:・指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(◆平成11年03月31日厚生省令第37号)|厚生労働省
自治体との事前協議で許可をもらう
自宅を活用してデイサービスを開業する場合、事前に自治体へ相談し、計画の内容を確認しておくとスムーズに準備が進められます。
デイサービスの指定申請は、都道府県や政令指定都市、中核市などの自治体が窓口です。開業する地域で申請が必要な自治体に、計画内容が問題ないか事前に確認しておきましょう。
一度工事を終えてから基準を満たしていないことが発覚すると、再工事が必要になったり開業が不可能になったりするおそれがあります。
デイサービスの指定申請について詳しくはこちら↓
デイサービス立ち上げに必要な指定申請とは?申請方法や注意点など解説
デイサービスを自宅で開業するメリット

- 物件費の削減
- 家庭的な雰囲気の提供
- 地域に根差した施設として認知されやすい
デイサービスを自宅で開業するメリットは、主に上記の3点です。特に小規模な事業形態を目指す場合に、強力な推進力となるでしょう。
物件費の削減
自宅を活用すれば新たに物件を取得する必要がないため、初期費用を大幅に抑えられます。 新たに事業用物件を借りたり購入したりすると、賃料・保証金・仲介手数料・内装費など初期投資が大きく膨らむでしょう。
自宅を施設として提供できれば物件にかかる費用を削減でき、毎月の家賃も不要です。固定費を大きく抑えられ、安定した経営のために経済戦略を練りやすくなるでしょう。
デイサービス開業に必要な資金について詳しくはこちら↓
デイサービスの開業に必要な資金は?初期費用と内訳・調達方法などを解説
家庭的な雰囲気の提供
自宅を使ったデイサービスは、一般的な介護施設よりも温かみのある空間をつくりやすくなります。
自宅感のあるリビングや和室などを活かすことで、利用者には「施設に通う」という感覚よりも「人の家に遊びに行く」ような安心感が生まれるでしょう。
特に初めてデイサービスを利用する高齢者は、家庭的な雰囲気の中だと通所への抵抗が少なくなるケースがあります。
家具の配置や照明、装飾など、利用者が居心地よく過ごせる環境を整えやすいのも自宅開業ならではの利点です。
アットホームさや自宅ならではの落ち着く空間などは、他の施設と差別化しやすくブランディングブランディングにもつながります。押し出しやすく誰もがわかりやすいアピールポイントとなり、最大の魅力となるでしょう。
地域に根差した施設として認知されやすい
自宅をデイサービスとする場合、自宅という形態上、地域住民の日常に溶け込みやすくなるでしょう。
近所の一部として認知されるため、馴染みの施設として地域住民との関係を構築しやすくなります。
また、小規模としての開業はサービスエリアが限定されることから、担当する地域ケアマネジャーと関係を密に築くことが可能です。
地域の介護施設として深く認識され、長期的な信頼を得やすいでしょう。
デイサービスを自宅で開業するデメリット

- 改修工事費が高額になる
- 近隣住民とのトラブルリスク
- 売上が安定しにくい
デイサービスを自宅で開業するデメリットは、主に上記の3点です。自宅開業の初期投資と継続的な運営リスクを正確に把握するため、非常に重要です。
改修工事費が高額になる
自宅をデイサービスとして活用する場合、建物の改修にかかる費用が想定以上に高くなることがあります。
改修の際に必要となる可能性がある工事は、段差解消・手すりの設置・広さを確保するための間取り変更・浴室やトイレの増設などです。
特に築年数が経過している住宅では、配管や電気設備のやり直しが発生し、結果的に新築やテナント物件を借りる場合と同程度の工事費用がかかるケースがあります。
また、一度改修して事業用に用途変更すると基本的に住宅としての価値が下がるでしょう。
デイサービスを廃業したあとに再び居住用として使おうとすると、元の状態に戻すための工事や用途変更の手続きなどが必要です。
近隣住民とのトラブルリスク
自宅開業のデイサービスは、近隣住民と距離が近いがゆえにトラブルに発展するリスクがあります。
主なトラブル要因は、住宅街の環境変化に対する住民の懸念や不満です。
民家だったところがデイサービスという公共性の高い福祉施設となると、利用者の出入りなど環境が大きく変化するでしょう。
送迎車による交通環境やレクリエーション中のにぎわいなど、近隣住民の安全性や日常性に悪影響を与える事案はトラブルの原因となります。
売上が安定しにくい
デイサービスの収入は大部分が介護報酬で構成されており、利用者の人数にほぼ直結する形となっています。
そのため、小規模形態となる自宅開業のデイサービスは売上を伸ばしにくい傾向にあるでしょう。
小規模運営では利用定員が18名以下と決まっており、とめどなく利用者を増やすことはできません。
また、利用者1名の退所やキャンセルが売り上げに大きな影響を及ぼしてしまうのもデメリットです。
デイサービス開業で活用できる助成金について詳しくはこちら↓
デイサービス立ち上げ時に使える助成金・補助金一覧!開業後に使える制度や注意点なども
デイサービスを自宅で開業する際の注意点

- 建築・消防基準・都市計画法と改装費用の厳格な確認
- 高稼働率を維持するための集客戦略
- 近隣への配慮と安全対策
デイサービスを自宅で開業する際には、上記の3点に注意しましょう。それぞれの注意点は事業を成功させ、リスクを管理するために不可欠です。
建築・消防基準・都市計画法と改装費用の厳格な確認
自宅をデイサービスに改装する際は、建築基準法・消防法・都市計画法などを事前に確認しておく必要があります。
住宅を事業所として使う場合、建物の構造や地域によっては「用途変更」の手続きが必要です。 また、避難経路や非常口、消火設備などの消防基準を満たしていなければ、開業許可が下りません。
改装費用も想定以上にかかるケースが多く、老朽化した住宅では配管や電気工事が追加で必要になるかもしれません。
各基準を確認しながら改装を進めると、スムーズな申請が可能です。
高稼働率を維持するための集客戦略
自宅で運営するデイサービスは規模が小さく、利用者が一人退去するだけで売上に大きく影響するおそれがあるため、 利用者数や高稼働率を保つ仕組みが必要です。
利用者増加には、ケアマネジャーや地域包括支援センターとの関係づくりが重要です。定期的な営業で施設の特徴や強みを知ってもらうと、利用者を紹介してもらう機会の増加が期待できます。
見学会や体験利用の機会を設けるのも効果的です。利用者や家族が施設の雰囲気を実感でき、安心感を持って契約へ進めます。
デイサービスの集客について詳しくはこちら↓
デイサービスの利用者を獲得するには?集客方法や営業について解説
近隣への配慮と安全対策
自宅でデイサービスを開業する場合、近隣住民との関係にも注意が必要です。送迎車の出入りや駐車スペースの使用、利用者の会話や笑い声などが、トラブルにつながるおそれがあります。
近隣住民とのトラブルを防ぐためにも、近隣への事前説明・あいさつに加え、送迎時間・送迎車の駐車位置・騒音への配慮といった運営上の工夫が不可欠です。
近隣住民の日常生活に変化をもたらす要因には最大限の注意を払い、日常の安全と生活を確保した運営を実施しましょう。
自宅開業のデイサービスに必要なホームページ

- 施設の雰囲気を伝える
- 低コストと専門性の両立
- 手間要らずの運用サポート
自宅で開業するデイサービスのホームページは、上記の3点を押さえて作成しましょう。
スマホの普及により、高齢者でもホームページを見てデイサービスを決める方が増えています。地域のケアマネジャーや地域包括支援センターの関係者も、施設のホームページを見て特徴や強みを確認していることが多いでしょう。
利用者増加につなげるためにも、高品質なホームページの作成を心がける必要があります。
デイサービスのホームページについて詳しくはこちら↓
デイサービスのホームページ制作はいくらかかる?高齢者に見やすいおしゃれなサイトが必要?
施設の雰囲気を伝える
ホームページでは、利用者がどのような環境で過ごすのかを具体的に伝えましょう。
明るく清潔な室内や食事、レクリエーションの様子などを写真で紹介すると、いい雰囲気が伝わります。
また、デイサービスを探している方の中には、自宅を活用して開業した施設であることに不安を感じる方もいるかもしれません。
自宅ならではの落ち着いた雰囲気を伝え「ここなら安心して通えそう」と、思ってもらえるホームページを作りましょう。
低コストと専門性の両立
低コストと専門性の両立がはかれるホームぺージを作成しましょう。
自宅開業でコストを抑えた分を有効活用できるように、コストパフォーマンスを重視しながら介護分野に特化したホームページ作成代行業者に依頼すると効果的です。
経済的負担を抑えながら完成度の高いホームページを目指しましょう。
ホームページ運営の費用について詳しくはこちら↓
ホームページの運営や管理にかかる費用は?維持費や代行の料金相場など
手間要らずの運用サポート
ホームページ運用の手間にスタッフが追われないよう、運用サポートが整っている状態にしましょう。
自宅開業のデイサービスは小規模であるため、スタッフも少人数で業務を遂行することになります。
そのため、日常的な業務の傍らでホームページを作成・運用するのは困難です。介護分野に精通した外部業者に委託し、運用のサポートをしてもらいましょう。
スタッフがホームページ運用に関わる手間を減らしつつ質の高いホームページを維持すれば、安定した介護サービスと利用者の獲得につながります。
自宅開業のデイサービスホームページはらっくうぇぶへ

- 専門性と低コストの両立
- 初期費用がない・安心の月額制
- オプションでプロカメラマンを派遣可能
自宅で開業するデイサービスのホームページをらっくうぇぶに依頼すると、主に上記3つのメリットがあります。
らっくうぇぶは、介護業界専門のホームページ作成代行サービスです。高齢者が見やすくて、デイサービスの強みや特徴をわかりやすく伝えるホームページを作成します。
らっくうぇぶの特徴は、月々3,800円 (税込4,180円 )でホームページが持てる月額制の料金体系です。初期費用がないため、開業で資金をあまりかけたくない方にも、利用しやすい価格設定でご提案できます。
また、オプションでプロのカメラマンによる施設の撮影ができるため、自宅開業の大きなメリットであるアットホームな雰囲気が最大限伝わるホームページ作成が可能です。
自宅開業のデイサービスは小規模の特徴を生かした運営と事前準備が鍵
自宅を活用したデイサービスは、物件取得費や家賃を抑えられるため、開業コストを削減できます。 自宅ならではの家庭的で温かい雰囲気をつくれることも魅力です。
地域に密着した小規模運営により、利用者や家族、ケアマネジャーとの関係を築きやすく、信頼を得やすい点も強みでしょう。
一方、送迎車の出入りや駐車スペースの占有、利用者の送迎時の会話や笑い声などの騒音が近隣住民とのトラブルにつながるおそれがあります。
近隣住民とのトラブルを避けるためには、近隣住民への説明や挨拶、送迎車の出入り時間と駐車時間、騒音対策など事前準備をしっかり実施しましょう。
また、自宅で開業するデイサービスの場合、ホームページでアットホームな雰囲気をアピールすると利用者が安心して利用を開始できます。
「らっくうぇぶ」は、介護業界に特化したホームページ作成代行です。複数のデイサービス運営実績を活かし、業界の実情を踏まえた高品質なホームページを制作します。
気になった方は、ぜひ以下のリンクより「らっくうぇぶ」の詳細をご確認ください。

カテゴリー|立ち上げ