令和7年以降の介護職員等処遇改善加算「職場環境等要件」とは?28項目の具体例と見える化の方法

「介護職員等処遇改善加算の職場環境等要件がよくわからない」
「令和7年から介護職員等処遇改善加算の職場環境等要件はどう変わったの?」
とお悩みの方に向けて、令和7年以降の介護職員等処遇改善加算で満たすべき要件のひとつ「職場環境等要件」をわかりやすく解説します。
職場環境等要件は、介護職員等処遇改善加算の算定に必要となる要件のひとつです。本要件は6区分に分かれており、区分ごとに取り組む項目が定められています。事業所で取り組む項目を検討し、実施内容を整理しなければなりません。
本記事では、職場環境等要件の6区分28項目について具体例を交えて紹介します。実施項目の整理にお役立てください。
介護職員等処遇改善加算とは?

介護職員等処遇改善加算について詳しく解説します。加算の概要や職場環境等要件を確認して、適切に加算を受けましょう。
介護職員等処遇改善加算について詳しくはこちら↓
【2026年最新】介護職員等処遇改善加算とは?計算方法や1と2の違いなど解説
介護職員等処遇改善加算の概要
介護職員等処遇改善加算は、介護施設に勤務する職員の賃金改善や職場環境の向上などを目的として設けられている加算制度です。
従来は介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算の3つに分かれていましたが、令和6年度の制度改正で「介護職員等処遇改善加算」に1本化されました。介護人材の確保と定着を図るため、事業所が一定の要件を満たした場合に算定できます。
介護職員等処遇改善加算を算定するには月額賃金改善要件・キャリアパス要件・職場改善要件を満たさなければなりません。
職場環境等要件について
| 職場環境等要件の区分 | 処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ | 処遇改善加算Ⅲ・Ⅳ |
|---|---|---|
| 入職促進に向けた取組 | 2つ以上 | 1つ以上 |
| 資質の向上やキャリアアップに向けた支援 | 2つ以上 | 1つ以上 |
| 両立支援・多様な働き方の推進 | 2つ以上 | 1つ以上 |
| 腰痛を含む心身の健康管理 | 2つ以上 | 1つ以上 |
| 生産性向上のための取組 | 3つ以上 | 2つ以上 |
| やりがい・働きがいの醸成 | 2つ以上 | 1つ以上 |
介護職員等処遇改善加算で満たすべき職場環境等要件は、上記のように6つの区分に分かれており合計28項目が設定されています。
加算レベルによって求められる取り組みの数は異なり、上位加算はより多くの項目に取り組まなければなりません。
職場環境等要件の28項目と具体例

- 入職促進に向けた取組
- 資質の向上やキャリアアップに向けた支援
- 両立支援・多様な働き方の推進
- 腰痛を含む心身の健康管理
- 生産性向上のための取組
- やりがい・働きがいの醸成
介護職員等処遇改善加算の職場環境等要件で設定されている28項目について、上記区分ごとに具体例などをみていきましょう。
参考:介護職員等処遇改善加算の職場環境等要件|厚生労働省
参考:介護職員等処遇改善加算職場環境等要件取組の事例集|厚生労働省
入職促進に向けた取組
【項目】
①法人や事業所の経営理念やケア方針・人材育成方針、その実現のための施策・仕組みなどの明確化
②事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築
③他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築(採用の実績でも可)
④職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取組の実施
【具体例】
①毎日の定例会で経営理念を全員で朗読して再確認する
②ローテーションで各部署の研修を行い、多様な業務を経験してもらう
③地域住民向けに介護保険制度などの説明会を実施する
④地域のイベントに参加して介護体験ブースを出展する
「入職促進に向けた取組」では、介護業界に興味を持ってもらい、介護業界の人材を増やすための取り組みが求められます。
そのために、経営理念や方針が浸透している働き方を定着させて入職後の早期離職を防いだり、介護業界への転職や未来の人材を歓迎する取り組みが必要です。
資質の向上やキャリアアップに向けた支援
【項目】
⑤働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対するユニットリーダー研修、ファーストステップ研修、喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等
⑥研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動
⑦エルダー・メンター(仕事やメンタル面のサポート等をする担当者)制度等導入
⑧上位者・担当者等によるキャリア面談など、キャリアアップ・働き方等に関する定期的な相談の機会の確保
【具体例】
⑤自治体などが実施する研修を活用する
⑥どの知識・技術・資格をどの程度満たすと、職位や給与水準がいくら上がるのかを具体的に示す
⑦入職後間もない職員は初心者マークをつける
⑧各職員と管理者の面談を年に数回実施する
「資質の向上やキャリアアップに向けた支援」は、職員の成長を促進し、それに応じた対価を付与するなど長く働き続けられるように制度や環境を整える取り組みです。
個々のスキルアップがケアの質向上へとつながり、それが職員の正当な評価へと還元される好循環を生み出す仕組みが求められます。
両立支援・多様な働き方の推進
【項目】
⑨子育てや家族等の介護等と仕事の両立を目指す者のための休業制度等の充実、事業所内託児施設の整備
⑩職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備
⑪有給休暇を取得しやすい雰囲気・意識作りのため、具体的な取得目標(例えば、1週間以上の休暇を年に●回取得、付与日数のうち●%以上を取得)を定めた上で、取得状況を定期的に確認し、身近な上司等からの積極的な声かけを行っている
⑫有給休暇の取得促進のため、情報共有や複数担当制等により、業務の属人化の解消、業務配分の偏りの解消を行っている
【具体例】
⑨男女問わず育児休暇の取得を推進している
⑩希望制週休3日や時間単位での有休休暇取得などを導入する
⑪職員が有給休暇で5連休を取得したら手当を支給する
⑫各施設・事業所等の管理者・責任者を複数担当(主担当、副担当)にする
「両立支援・多様な働き方の推進」は、職員それぞれの生活を大切にしながら働ける職場を目指すための項目が設定されています。
多様なニーズに合わせた柔軟な働き方を推進し、心身の健康を維持しながら安心して従事できる職場が必要です。
腰痛を含む心身の健康管理
【項目】
⑬業務や福利厚生制度、メンタルヘルス等の職員相談窓口の設置等相談体制の充実
⑭短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施
⑮介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、職員に対する腰痛対策の研修、管理者に対する雇用管理改善の研修等の実施
⑯事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備
【具体例】
⑬年2回各部門長に対してメンタルヘルス研修を行い、相談窓口を設置する
⑭雇用形態に関わらず職員が無料で受けられる健康診断やストレスチェックを実施
⑮理学療法士が主担当となって、職員全員に腰痛体操を実践してもらう
⑯事故発生時の緊急連絡フローと再発防止のための事例集を整備し、全職員で共有・運用する
「腰痛を含む心身の健康管理」では、介護技術の向上や補助器具の活用による身体的負担の軽減とメンタルヘルスケアを並行して行い、職員が健康に長く勤められる環境の整備が求められます。
介護職はフィジカルにもメンタルにも負荷がかかることがあるため、両方に働きかける具体的な策が必要となるでしょう。
生産性向上のための取組
【項目】
⑰厚生労働省が示している「生産性向上ガイドライン」に基づき、業務改善活動の体制構築(委員会やプロジェクトチームの立ち上げ又は外部の研修会の活用等)を行っている
⑱現場の課題の見える化(課題の抽出、課題の構造化、業務時間調査の実施等)を実施している
⑲5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備を行っている
⑳業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減を行っている
㉑介護ソフト(記録、情報共有、請求業務転記が不要なもの。)、情報端末(タブレット端末、スマートフォン端末等)の導入
㉒介護ロボット(見守り支援、移乗支援、移動支援、排泄支援、入浴支援、介護業務支援等)又はインカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器(ビジネスチャットツール含む)の導入
㉓業務内容の明確化と役割分担を行い、介護職員がケアに集中できる環境を整備。特に、間接業務(食事等の準備や片付け、清掃、ベッドメイク、ゴミ捨て等)がある場合は、いわゆる介護助手等の活用や外注等で担うなど、役割の見直しやシフトの組み換え等を行う
㉔各種委員会の共同設置、各種指針・計画の共同策定、物品の共同購入等の事務処理部門の集約、共同で行うICTインフラの整備、人事管理システムや福利厚生システム等の共通化等、協働化を通じた職場環境の改善に向けた取組の実施
※生産性向上体制推進加算を取得している場合には、「生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組」の要件を満たすものとする
※小規模事業者は、㉔の取組を実施していれば、「生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組」の要件を満たすものとする
【具体例】
⑰職員同士で集まって活動テーマを決め、実施を所内に周知する活動を推進する
⑱施設の課題を職員から集め、解決すべき内容を社内で定期的に検討する流れをつくる
⑲5S担当者を決め、チェックリストを用いて定期的な職場巡回を行い、整理整頓を徹底する
⑳業務マニュアルを整備し、SNSやチャット等のITツールを活用して情報共有を迅速化する
㉑記録から請求まで連動する介護ソフトとタブレットを導入し、手書きや転記の手間をなくす
㉒利用者の排泄がスマホに通知されるシステムを導入する
㉓掃除や配膳を行う「介護助手」を配置し、介護職が専門的なケアに集中できる体制を作る
㉔他の事業所と連携して指針の共同作成や備品の共同購入、システムの共通化を行う
「生産性向上のための取組」は、ICTの活用や役割分担の見直しによって現場のムダを省き、ゆとりとサービスの質向上を両立させる取り組みです。
現場の声を吸い上げて業務効率化をはかり、職員が専門性を活かしたケアに集中できる環境を整備する必要があります。
やりがい・働きがいの醸成
【項目】
㉕ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
㉖地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上に資する、地域の児童・生徒や住民との交流の実施
㉗利用者本位のケア方針など介護保険や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供
㉘ケアの好事例や、利用者やその家族からの謝意等の情報を共有する機会の提供
【具体例】
㉕定例会で利用者のケアに関するケース検討や法人理念の確認、法人内で実施したアンケート結果の共有等を行う
㉖職員が地域の清掃活動に参加する
㉗利用者のケアについて、年に1回法人内で全職員研修として事例検討会を開催する
㉘職員が年に1回、全国規模開催の学会へ参加・発表する
「やりがい・働きがいの醸成」は、職員が仕事の価値を再認識し、モチベーションを持って働ける環境を整備するための項目です。
利用者からの感謝の可視化や好事例の共有などで、日々の貢献を組織として正当に称賛していくことが望ましいとされています。
職場環境等要件の見える化について

介護職員等処遇改善加算Ⅰ・Ⅱを算定するには、職場環境等要件の見える化をしなければなりません。見える化の概要や具体的な方法を解説します。
見える化の概要
介護職員等処遇改善加算の加算Ⅰ・Ⅱを算定する事業所は、実施している取り組みを明確にし、求職者や利用者など、外部の関係者が確認できる状態にしなければなりません。
見える化の目的は、どのような職場環境づくりに取り組んでいるのかを具体的に示し、介護人材確保や職員の定着につなげることです。
実施項目を列挙するだけではなく、具体的な取り組み内容をわかりやすく整理し、継続的に発信することが求められます。
見える化の具体的な方法
職場環境等要件の見える化は、事業所のホームページで公表する方法がおすすめです。ホームページなら求職者や利用者、その家族がいつでも確認できる環境をつくれます。
公表する際は「職場環境等要件の取組について」といった専用ページを設け、6区分ごとに実施している項目を整理して掲載するとよいでしょう。
また、更新日を明記して内容を定期的に更新すると、最新の取り組み状況が反映できるため、事業所の積極性が伝わります。
職場環境等要件の見える化はらっくうぇぶへ

介護職員等処遇改善加算の職場環境等要件で求められる見える化へ確実に対応するなら、ぜひ介護業界に特化したホームページ作成代行「らっくうぇぶ」へご相談ください。
らっくうぇぶに職場環境等要件での実施項目をお伝えいただけると、内容を整理してわかりやすくホームページ上で公開します。
また、ホームページの運用代行も行っており、常に最新情報を掲載することが可能です。更新日を明記した定期的な更新により、ホームページを見た人の信頼度を高められるでしょう。
介護職員等処遇改善加算を検討中の事業所では、らっくうぇぶの活用をおすすめします。
介護職員等処遇改善加算「職場環境等要件」を正しく理解して確実に算定する
介護職員等処遇改善加算の職場環境等要件は、6区分28項目で構成されており、加算区分ごとに必要な実施数が定められています。上位の加算区分ほど求められる項目数が多くなるため、計画的な実施が必要です。
また、加算Ⅰ・Ⅱを算定する場合は、取組内容の見える化も欠かせません。ホームページなどで実施内容を公開し、求職者や利用者に対して示すことが重要です。
らっくうぇぶは介護業界に特化したホームページ作成代行です。職場環境等要件での実施項目をわかりやすく公開し、見える化要件を満たすホームページを作成します。
また、複数店舗のデイサービス運営実績があり、WEBに関する業務だけではなく介護施設の運営のサポートも可能です。
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