理学療法士がデイサービスを開業できる?成功のポイントや注意点など

「理学療法士の資格を活かしてデイサービスを開業したい」
「理学療法士でもデイサービスを開業できるのかな?」
本記事では上記のようにお考えの理学療法士に向けて、デイサービスの立ち上げに関して詳しく解説しています。
理学療法士がデイサービスを立ち上げる場合には専門知識を活かし、機能訓練に特化した差別化が可能です。
デイサービスを開業する際に理学療法士の資格が役立つ理由や成功のポイント、注意点などを解説します。
理学療法士はデイサービスを開業できる?

理学療法士は、デイサービスを開業できます。デイサービスの管理者になるために特別な資格は必要ないため、法人を設立すれば誰でも運営が可能です。
ただし、運営には機能訓練指導員の配置が義務づけられています。これは、利用者の身体機能を維持・回復させる訓練の計画・実施を担う重要な役割で、理学療法士・作業療法士・看護師などの専門資格が必要です。
そのため、理学療法士の資格は運営上極めて重要になるでしょう。管理者は他の職種と兼任が認められており、理学療法士が管理者となれば機能訓練指導員との兼務も可能になります。
参考:通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護|厚生労働省
デイサービスの開業で必要な資格について詳しくはこちら↓
デイサービスの開業に必要な資格とは?指定基準などの条件についても解説
理学療法士の資格がデイサービス開業で役立つ点

- 人件費が削減できる
- リハビリ特化型の差別化がはかれる
- サービスの質向上が目指せる
理学療法士の資格がデイサービスの開業で役立つ点は主に上記の3点です。それぞれ詳しくみていきましょう。
人件費が削減できる
理学療法士はデイサービスの管理者と機能訓練指導員を兼務できるため、人件費の削減につながります。
通常、デイサービスでは機能訓練指導員として理学療法士や作業療法士などの有資格者を雇用する必要がありますが、理学療法士が開業すれば自らが機能訓練指導員の役割を担うことで、採用にかかる経費や人件費を抑えることが可能です。
管理者が現場の専門職を兼ねれば採用計画や配置の自由度が増し、人員配置の柔軟性も増すでしょう。
デイサービスの開業に必要な資金について詳しくはこちら↓
デイサービスの開業に必要な資金は?初期費用と内訳・調達方法などを解説
リハビリ特化型の差別化がはかれる
理学療法士が開業するデイサービスであれば、専門的なリハビリを取り入れやすくなります。リハビリに特化した点が、施設としての強みとなるでしょう。
人気のあるデイサービスを運営するには、競合施設との差別化が必要です。利用者や家族が「この施設を選びたい」と、感じる明確な特徴を打ち出さなければなりません。
たとえば、利用者の機能レベルや生活課題などをヒアリングして、身体機能の維持・向上に直結する詳細な個別プログラムを提供できるシステムを構築できれば、競合にはない強みとなります。
また、他施設と明確に差別化された強みがあるとターゲットが具体化し、ケアマネジャーから施設に合った利用者を紹介してもらいやすくなるでしょう。
デイサービスの差別化が必要な理由ついて詳しくはこちら↓
デイサービスは差別化が必要?具体的な方法や利用者の増やし方などを解説
サービスの質向上が目指せる
理学療法士の身体機能向上に関する知識を職員に共有すれば、提供するサービスの質向上が期待できます。
現場で働く職員に正しい動作介助や訓練の進め方などを伝えられるOJTプログラムやマニュアルなどを導入すると、利用者の運動機能向上に大きく役立つでしょう。
また、理学療法士の専門知識は現場の状況を素早く把握するのに有効であるため、現場の理解に基づいた学術的かつ体系的な意思決定や指導が可能です。職員からの信頼を獲得しやすく、一体感あるサービスを提供できる環境作りができるでしょう。
理学療法士がデイサービス開業で成功するポイント

- 理学療法士の運営を強みとしてマーケティング
- 個別機能訓練加算の獲得で収益を最大化する
- 経営に関する知識習得
理学療法士がデイサービス開業で成功するには、上記3つのポイントを意識しましょう。それぞれ詳しく解説します。
理学療法士の運営を強みとしてマーケティング
デイサービスを理学療法士が運営していることは、それ自体が大きなアピールポイントです。
身体機能の維持や改善を重視するターゲット層にとって、リハビリの専門家が運営しているというのは選ぶ理由になり得ます。
ホームページやSNSなどで理学療法士が運営していることを強く打ち出せば、信頼されるブランドを築くことが可能です。
個別機能訓練加算の獲得で収益を最大化する
デイサービスでは、介護報酬上の「個別機能訓練加算」を安定的に取得すると収益向上につながりやすくなります。理学療法士は身体機能向上やリスク管理などから利用者のQOLを高めることに強みがあるため、個別機能訓練を提供しやすい立場です。
また、質の高い訓練内容を継続的に実施できれば利用者の満足度やケアマネジャーからの信頼が高まり、利用者の増加や稼働率アップが期待できるでしょう。
経営に関する知識習得
デイサービスの運営を成功させるには、経営に関する知識を身につけなければなりません。
経営では職員の人件費や加算の算定管理などの数字を把握して、収支のバランスや資金繰りを判断する力が求められます。
また、法改正や介護報酬改定の影響を受けることも多いため、常に市場動向にアンテナを張り、最新情報の把握が必要です。
さらに、マーケティングや人材マネジメントの知識を身につけると、安定した運営につながります。
理学療法士としての専門性に加え、経営者としての視点を持ち合わせると、継続的に成長できるデイサービスを築けるでしょう。
デイサービスの経営について詳しくはこちら↓
デイサービスの経営が厳しいといわれる理由や改善するためのポイント
理学療法士がデイサービスを開業する際の注意点

- 法的な線引きに注意する
- マネージメント能力が必要
- 経営計画の徹底
理学療法士がデイサービスを開業する際の注意点は、主に上記の3点です。それぞれ詳しくみていきましょう。
法的な線引きに注意する
デイサービスで提供できるのはあくまで機能訓練であり、治療行為や理学療法といった医療行為は行えません。
理学療法士としての知識や技術を活かすことはできますが、医療機関と同じ内容、特に治療を目的とした行為を実施した場合は医療法や医師法などに抵触し、法令違反となります。
また、広告やホームページで「理学療法」や「リハビリ」を過度に強調するのは注意が必要です。たとえば「治療」や「治す」などの表現は、医療行為を想起させる内容と判断される場合があります。
景品表示法に抵触すれば消費者庁から措置命令を受けるリスクがあり、デイサービスとして不適切とみなされれば行政から是正指導や改善勧告を受ける可能性もあるでしょう。
デイサービスでは、あくまで「日常生活の動作を維持・向上させるための機能訓練を提供している」ことを打ち出し、誤解を招かない表現でアピールすることが重要です。
マネージメント能力が必要
デイサービスの運営を成功させるには、マネージメント能力が欠かせません。
マネージメントには、職員の教育・シフト管理・業務の分担など、現場全体を統括する力が求められます。
また、利用者や家族、ケアマネジャーなど多くの関係者とのやりとりが発生するため、コミュニケーション力も重要です。
経営者としての視点を持ち、組織運営を円滑に進める必要があります。状況によっては、経営コンサルタントの利用も検討しましょう。
経営計画の徹底
デイサービスを安定的に運営するには、開業前に経営計画を詳細に作成しておく必要があります。
初期費用や運転資金、想定される収益と支出を具体的に計算し、収支計画を立てておきましょう。また、助成金や補助金を活用すれば、初期投資の負担を軽減できます。
資金繰りに余裕を持たせると、職員の教育や設備投資にも力を入れやすくなります。
開業後にも稼働率や加算の取得状況などの経営指標を把握しながら、経営計画の改善を続けていきましょう。
デイサービスの立ち上げに使える補助金や助成金について詳しくはこちら↓
デイサービス立ち上げ時に使える助成金・補助金一覧!開業後に使える制度や注意点なども
理学療法士がデイサービスを開業する際のロードマップ

- デイサービスのコンセプト・サービス内容確定
- 法人設立
- 事業計画書の作成
- 開業資金の準備
- 物件取得・リフォーム
- オープニングスタッフの確保
- 備品などの調達
- 指定申請
上記は、デイサービス開業までに必要なステップです。
まずは「どのようなデイサービスにしたいか」というコンセプトを明確にし、事業計画書に落とし込むところから始めましょう。
資金計画や物件の選定、人員確保などを同時並行で進め、最終的に行政への指定申請を行うことで事業をスタートできます。
デイサービスの開業で必要な準備の詳細はこちら↓
デイサービス(通所介護)の開業で必要なものは?立ち上げまでの流れなどを解説
理学療法士が運営するデイサービスのホームページはらっくうぇぶへ

デイサービスを探す方は、基本的にホームページを見て来所します。
集客につながるホームページを作成するには、施設の強みや特徴を伝えるデザインや設計が必要です。
理学療法士が運営する点を効果的に宣伝するために、介護業界に特化したホームページ作成代行に依頼してホームページを作成しましょう。
ホームページ作成代行「らっくうぇぶ」では、介護施設の魅力を伝えるホームページの作成が可能です。
また、WEBに関する業務だけではなく、デイサービスの立ち上げや運営などもサポートいたします。
気になった方はぜひ、らっくうぇぶにご相談ください。
理学療法士の資格をデイサービスの経営に役立てよう
理学療法士の資格は、デイサービスの運営において大きな強みになります。
施設管理者と機能訓練指導員を兼任できるほか、専門知識を活かした職員の指導や現場管理、自らを広告塔にしたブランディングなど、あらゆるシーンで理学療法士の資格が役立つでしょう。
ただし、デイサービスでは治療行為は行えない点には注意が必要です。法的な範囲を正しく理解して運営しなければなりません。
また、職員の教育・シフト管理・業務の分担などのマネージメントや経営計画の作成といった、現場以外の部分にも目を向けることが重要です。
理学療法士が経営する施設の強みや特徴は、必ずホームページで分かりやすくアピールしておきましょう。
「らっくうぇぶ」は、介護業界に特化したホームページ作成代行です。複数店舗のデイサービス運営実績を活かし、高齢者にも見やすく質の高いホームページを作成します。
気になった方は、ぜひ以下のリンクより「らっくうぇぶ」の詳細をご確認ください。
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