介護施設の看護師は介護職員等処遇改善加算の対象?支給基準や「もらえない」といわれる理由など

「介護施設の看護師は介護職員等処遇改善加算の対象になるの?」
「看護師が介護職員等処遇改善加算の手当をもらえないといわれるのはなぜ?」
などの疑問がある方に向けて、介護職員等処遇改善加算における看護師・准看護師の扱いや支給の考え方などを解説します。
介護職員等処遇改善加算は介護職員以外の職種にも配分が認められていますが、看護職員への支給は必須ではありません。その理由や背景などを詳しくまとめました。
介護職員等処遇改善加算とは?

介護職員等処遇改善加算は、介護現場で働く職員の賃金や職場環境を改善し、人材確保や定着促進などを図る制度です。算定するには、月額賃金改善要件・キャリアパス要件・職場環境等要件を満たす必要があります。
介護事業所は介護職員等処遇改善加算の算定で受け取った加算額を、全額職員の賃金改善に使わなければなりません。
賃金改善の対象となる職種は、介護職員だけではなく、事業所の判断で生活相談員や事務員など、介護保険サービスに関わる幅広い職種です。
介護職員等処遇改善加算について詳しくはこちら↓
【2026年最新】介護職員等処遇改善加算とは?計算方法や1と2の違いなど解説
介護職員等処遇改善加算は看護師も対象?

介護施設で働く看護師や准看護師は、介護職員等処遇改善加算でどのような扱いになるのか解説いたします。
看護師も賃上げの対象
介護職員等処遇改善加算は、介護施設で働く看護師や准看護師も対象となり得ます。介護職員等処遇改善加算は介護職員への配分を基本としつつ、介護事業所の判断でその他の職種にも配分できるためです。
ただし、全職員への支給が義務付けられているわけではなく、配分の有無や金額は事業所によって異なります。
また、2026年6月から訪問看護ステーションも介護職員等処遇改善加算の対象として認められるようになり、看護職員が賃上げされる可能性がより幅広い現場へと広がっています。
訪問看護ステーションで介護職員等処遇改善加算を算定する方法や要件について詳しくはこちら↓
2026年の介護職員等処遇改善加算は訪問看護も対象?要件や算定・パート看護師の処遇など
非常勤看護師も対象
介護職員等処遇改善加算の対象は雇用形態を問わないため、非常勤やパートの看護師も賃上げされる可能性があります。
パート看護師の賃上げを実施する場合、時給への上乗せや一時金で対応する介護事業所が多いでしょう。
看護師が介護職員等処遇改善加算で賃上げして「もらえない」といわれる理由

- 介護事業所の采配で配分の有無が決まる
- そもそも看護師の基本給水準が介護職員より多い
- 別の枠組みで看護師の手当を担保している
看護師が介護職員等処遇改善加算で賃上げしてもらえないといわれる理由として、上記3点があげられます。それぞれ詳しくみていきましょう。
介護事業所の采配で配分の有無が決まる
介護職員等処遇改善加算は介護職員への配分を基本としたうえで、他の職種への配分は介護事業所の采配に委ねられるため、必ずしも看護職員へ配分されるわけではありません。
職務内容に見合わない偏った配分は原則として認められていないものの、実際には看護師の賃上げを見送る介護事業所も存在します。
参考:介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)|厚生労働省
そもそも看護師の基本給水準が介護職員より多い
- 看護職員(常勤):241,680円
- 介護職員(常勤):192,660円
厚生労働省の調査によると、介護職員等処遇改善加算を取得している介護事業所では、常勤職員の平均基本給額は上記のようになっており、介護職員よりも看護職員の基本給が高い傾向にあります。
看護師は国家資格が必要で、療養上の世話や診療の補助など専門性の高い業務を担う職種であることが、給与水準の差につながる要因です。
もともと給与水準が高いため、介護事業所によっては介護職員等処遇改善加算で看護職員への配分を控えめにするケースが見られます。
別の枠組みで看護師の手当を担保している
看護師の給与には、資格手当や職務手当、オンコール手当などの手当を設ける介護事業所があります。手当によって看護師の処遇を確保している場合、介護職員等処遇改善加算では看護職員への配分が後回しになるケースもあるでしょう。
そのため、看護師から見ると介護職員等処遇改善加算が配分されていない状態になる可能性があります。
介護施設・訪問看護で看護体制に関係するその他の加算

- 看護体制加算
- 看護体制強化加算
- 夜間看護体制加算
介護職員等処遇改善加算の他に、介護施設・訪問看護ステーションには、上記のような看護職員の専門スキルなどを評価する加算があります。
いずれも看護師・准看護師の賃上げを直接保証するものではありませんが、介護事業所の収益を支え、看護職員の給与や手当に反映されやすい代表的な加算です。
看護体制加算
看護体制加算は、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)やショートステイなどで一定以上の看護師を配置した場合に算定できる加算です。
常勤看護師を配置する「加算(Ⅰ)」に加え、夜間も含めた24時間の連絡・相談体制を敷く「加算(Ⅱ)」などが設けられています。
手厚い人員配置やオンコール体制といった看護師の負担が、施設の評価として還元される代表的な仕組みです。
看護体制強化加算
看護体制強化加算は、主に訪問看護ステーションなどで算定される加算です。24時間対応の体制を整え、重度者や精神疾患患者、あるいは自宅での看取りなど、医療ニーズの高い利用者を積極的に受け入れている事業所が評価されます。
高度なスキルを持つ看護師による地域医療への貢献が、介護事業所の収益として還元される制度です。
参考:訪問看護|厚生労働省
夜間看護体制加算
夜間看護体制加算とは、主に特定施設入居者生活介護などで、夜間の医療的ケアや急変対応の体制が整っていることを評価する加算です。看護職員の夜間オンコール体制や夜勤配置などを整えると、算定することができます。
人手が少なくなる夜間にも専門知識を持った看護師を配置し、万全の体制を整えた施設として評価されると、介護事業所の収益につながります。
参考:令和6年度介護報酬改定における改定事項について|厚生労働省
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介護職員等処遇改善加算は看護師にも配分可◎(見送られる可能性も)
介護職員等処遇改善加算は介護職員だけではなく、看護師や准看護師にも配分できます。ただし、看護職員への配分は義務ではなく、職種ごとの役割や給与水準などを踏まえて事業所内で決める仕組みです。
看護職員は介護職員より基本給水準が高く、資格手当やオンコール手当などを設けているケースがあるため、事業所によっては介護職員等処遇改善加算が看護職員へ配分されない場合もあるでしょう。
また、介護職員等処遇改善加算の他にも、看護体制加算や看護体制強化加算など、看護体制を整えている施設・事業所が算定できる加算があります。
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