【2026年最新】介護職員等処遇改善加算とは?計算方法や1と2の違いなど解説

「今の介護職員等処遇改善加算って、どうなっているの?」
「介護職員等処遇改善加算の算定要件が複雑でよく分からない」
とお悩みの方へ向けて、介護職員等処遇改善加算とは何か・目的・算定要件・加算区分の違いなどをまとめました。
内容は多岐にわたるため、手続きや情報の整理に多くの工数を要します。自施設がどの要件を満たすべきかを正しく把握し、円滑な運用を目指しましょう。
介護職員等処遇改善加算とは?

現在の「介護職員等処遇改善加算」は、2024年度(令和6年度)の介護報酬改定で、介護職員処遇改善加算・介護職員等特定処遇改善加算・介護職員等ベースアップ等支援加算の3つが一本化されたものです。
介護職員等処遇改善加算は、介護事業所が算定できる介護報酬加算の1つで、職員の処遇改善に充てることを前提として設けられています。
介護職員等処遇改善加算の詳細をみていきましょう。
目的
- 介護職員等の賃金アップ
- キャリアパス整備
- 職場環境改善
介護職員等処遇改善加算の目的は主に上記3つです。特に介護職員等の賃金水準を引き上げる取り組みには重きがおかれています。
加算で得られる報酬は、一時的な手当や賞与だけではなく、基本給などの月額賃金の底上げに充当することが強く求められるようになりました。
また、働きやすさ向上のためにキャリアパス整備や職場環境の改善も組み込まれています。
賃金と将来性・環境の面から直接アプローチし、介護業界の慢性的な課題である人材不足の解消と職員の定着率向上が狙いです。
参考:令和6年度介護人材確保・職場環境改善等事業の実施について
対象者
- 介護職員
- 管理者
- 生活相談員
- 看護職員
- リハビリ職
- 事務職員など
現在の介護職員等処遇改善加算の配分対象は上記の通りであり、事業所に勤務する職員への幅広い配分が認められています。
以前の制度では「介護職員との兼務」が前提とされていましたが、現在は兼務の有無にかかわらず、他の職種の職員への配分が可能です。
介護職員への配分が基本とされていますが、事業所内で柔軟な配分が認められており、事業所に従事する全職種が対象となりました。
1本化された歴史
2024年5月まで「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」と3つに分かれていた加算は、2024年6月から「介護職員等処遇改善加算」に1本化されています。
以前設けられていた3つの加算は複雑で事務負担が大きいという課題があり、加算取得のハードルも高かったため、制度の簡易化や明確化を図る目的で現在の介護職員等処遇改善加算へと再編されました。
一本化によって事務作業のスリム化や取り組みやすさを向上させ、加算取得を促進させる狙いがあります。
介護職員等処遇改善加算の区分

介護職員等処遇改善加算の区分の概要を説明します。
概要
| 項目 | 加算Ⅳ | 加算Ⅲ | 加算Ⅱ | 加算Ⅰ |
|---|---|---|---|---|
| 職場環境の改善※1 | ◯ | ◯ | ◎ | ◎ |
| 資格や勤続年数等に応じた昇給の仕組み整備 | - | ◯ | ◯ | ◯ |
| 改善後の賃金年額440万円以上が1人以上 | - | - | ◯ | ◯ |
| 経験・技能のある介護職員を配置※2 | - | - | - | ◯ |
◯:7項目以上を実施。
◎:13項目以上を実施して、取組の見える化をしている。
※2 事業所内で一定割合以上配置。
介護職員等処遇改善加算で設けられた加算Ⅰ〜Ⅳは、上記のように取組に応じて加算されます。加算Ⅰの取得には、職場環境の改善で幅広いカテゴリで取り組んでいることが求められます。
加算Ⅰと加算Ⅱの違い
介護職員等処遇改善加算の加算Ⅰと加算Ⅱの大きな違いは、「経験・技能のある介護職員の配置」が必須かどうかです。加算Ⅰでは質の高いケアを提供するために有資格者の厚い配置が求められ、その分加算率が最も高く設定されています。
加算Ⅱでは「経験・技能のある介護職員の配置」は必須ではないため、現状の職員構成を大きく変える必要はないでしょう。
介護職員等処遇改善加算の算定要件

- 賃金改善に関する要件
- キャリアパスに関する要件
- 職場環境に関する要件
介護職員等処遇改善加算に関して、上記3種類の算定要件を解説します。
賃金改善に関する要件
- 月額賃金改善要件Ⅰ
- 月額賃金改善要件Ⅱ
賃金改善に関する要件では、上記2つの基準に応じて、介護職員等の月額賃金を確実に引き上げることが求められます。
月額賃金改善要件Ⅰは、加算Ⅳ相当分の1/2以上を、基本給や毎月支給される給与に充当しなければなりません。加算額を月額賃金へ充当する際の基準は、事業所が取得している区分に関わらず「加算Ⅳ相当額」をベースに計算します。
月額賃金改善要件Ⅱは、処遇改善加算が1本化される前の処遇改善加算を算定し、ベースアップ等支援加算を算定していない事業所に適用される要件です。
前年度と比較し、ベースアップ等支援加算相当の加算額2/3以上を新たな月額賃金引き上げに充てる必要があります。
キャリアパスに関する要件
| キャリアパス要件Ⅰ (任用要件・賃金体系) | 介護職員について職位・職責・職務内容等に応じた任用等の要件を定め、それらに応じた賃金体系を整備 |
|---|---|
| キャリアパス要件Ⅱ (研修の実施等) | 介護職員の資質向上の目標や以下のいずれかに関する具体的な計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保
|
| キャリアパス要件Ⅲ (昇給の仕組み) | 介護職員について以下のいずれかの仕組みを整備
|
| キャリアパス要件Ⅳ (改善後の賃金額) | 経験・技能のある介護職員のうち1人以上は賃金改善後の賃金額が年額440万円以上 ※小規模事業所等で加算額全体が少額である場合などは免除 |
| キャリアパス要件Ⅴ (介護福祉士等の配置) | サービス類型ごとに一定割合以上の介護福祉士等を配置 |
キャリアパス要件は、職員が将来の見通しを持って働ける仕組みが整っているかを評価する指標です。
介護職員等処遇改善加算で最上位加算をとるためには、すべてのキャリアパス要件を満たす必要があります。
ただし、キャリアパス要件Ⅳについては、小規模事業所など加算額全体が少額である場合、免除される可能性があるでしょう。
職場環境に関する要件
- 入職促進に向けた取組
- 資質の向上やキャリアアップに向けた支援
- 両立支援・多様な働き方の推進
- 腰痛を含む心身の健康管理
- 生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組
- やりがい・働きがいの醸成
職場環境に関する要件は、働きやすい環境を整えるために賃金以外で実施すべき取り組みです。厚生労働省によって28項目が設定されており、大きく分けて上記6カテゴリに分けられています。たとえば「入職促進に向けた取組」には地域イベントへの参加や職場体験の受け入れ、「両立支援・多様な働き方の推進」にはフレックス制の導入などです。
介護職員等処遇改善加算を算定するためには、加算に応じて6カテゴリごとにそれぞれ1~2項目以上、合計7~13項目以上を実施しなければなりません。「生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組」は2項目以上の取り組みが必要です。
介護職員等処遇改善加算の計算方法

介護職員等処遇改善加算の計算方法や計算例を説明します。
計算方法
(基本サービス費 + 各種加算・減算)× 加算率 = 処遇改善加算の単位数
処遇改善加算の単位数×1単位あたりの単価(地域単価)=支給額(円)
介護職員等処遇改善加算の計算式は上記の通りです。
計算例
【事業所の情報例】サービス種別:通所介護(デイサービス・加算Ⅰを算定)1か月の総単位数:500,000単位(基本報酬 + 入浴介助加算 + 個別機能訓練加算などの合計)加算率(加算Ⅰ):9.2%地域単価(葛飾区・1級地の場合):10.90円(通所介護の単価)
【総単位数を処遇改善加算の単位数に換算】500,000単位 × 9.2% = 46,000単位
【単位数を金額に換算】46,000単位 × 10.90円 = 501,400円
上記のように、1か月の総単位数が500,000単位のデイサービスで加算Ⅰを算定している場合、葛飾区では約50万円が加算されます。
ただし、今後の改定で加算率が変更になれば、加算も変わります。さらに金額が高くなる可能性もあるため、改定の際には確認しておきましょう。
介護職員等処遇改善加算の上位加算を取るポイント

- 「キャリアパス要件Ⅳ・V」の壁を越える
- 「職場環境等要件」の多項目実施
- 「見える化要件」と情報公表
介護職員等処遇改善加算の上位加算を取るポイントは上記の3点です。それぞれ詳しく説明します。
「キャリアパス要件Ⅳ・V」の壁を越える
介護職員等処遇改善加算の上位加算を目指すうえで、多くの事業所でハードルになりやすいのがキャリアパス要件Ⅳ・Vです。
キャリアパス要件Ⅳでは、経験・技能のある介護職員のうち1人以上について、改善後の賃金年額が440万円以上となる水準が求められます。加算による改善分を含めた金額で判定されるため、賞与の調整などで基準値を満たす設計を検討しましょう。
キャリアパス要件Vは、介護福祉士など一定の資格を持つ職員の配置に関する要件です。資格取得支援などで、既存スタッフの育成に力を注ぐとキャリアパス要件Ⅴのクリアにつながるでしょう。
「職場環境等要件」の多項目実施
介護職員等処遇改善加算の上位加算を算定するには、職場環境等要件で求められている取組項目を、一定数以上実施しておく必要があります。加算Ⅰ・Ⅱを目指す場合は、取組項目の6カテゴリからそれぞれ2つ以上実施し、かつ生産性向上のカテゴリは項目18「現場の課題の見える化」を必須として3つ以上実施しなければなりません。
サンクスカードや付箋での課題整理など、取り組みやすいことから始めましょう。
「見える化要件」と情報公表
介護職員等処遇改善加算で加算Ⅰ・Ⅱを算定する事業所は、職場環境改善の取り組み内容をホームページなどで見える化しなければなりません。
要件自体は掲載することで満たされますが、どのホームページで公開したかなど見える化の方法を報告する必要があるため、早めに準備しましょう。
介護施設のホームページはらっくうぇぶへ

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介護職員等処遇改善加算を正しく理解して上位加算の取得につなげよう
介護職員等処遇改善加算は、2024年度の介護報酬改定により制度が一本化され、仕組み自体は整理されました。ただし、算定要件や運用ルールは依然として複雑です。
介護職員等処遇改善加算を受けるには、賃金改善要件やキャリアパス要件、職場環境等要件を正しく把握し、事業所の状況に照らしてクリアしていく必要があります。
特に上位加算を目指す場合は、キャリアパス要件Ⅳ・Vや職場環境等要件の実施項目数、見える化要件への対応が大きなポイントになります。
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