介護施設は『デジタル化・AI導入補助金』が使える?対象ツールや申請手順など

「どんな介護施設がデジタル化・AI導入補助金を利用できる?」
「介護施設では、どのITツールがデジタル化・AI導入補助金の対象になるの?」
などの疑問がある方に向けて、デジタル化・AI導入補助金の対象となる介護施設や補助額・補助率、介護施設で導入できるツール、申請手順などを解説します。
DX化に向けてITツールやAIの導入を検討している介護施設の方は、本記事でデジタル化・AI導入補助金の概要を確認し、適切に活用しましょう。
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介護施設も対象「デジタル化・AI導入補助金」とは?

デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者が業務効率化や生産性向上につながるITツールを導入する際に、費用の一部を補助する制度です。旧称は「IT導入補助金」で、2026年度から現在の名称へ変更されました。
デジタル化・AI導入補助金の対象となる介護施設や補助額・補助率を詳しくみていきましょう。
対象となる介護施設
| 介護施設の組織形態 | 対象 |
|---|---|
| 株式会社、有限会社、合同会社などの会社組織 | 資本金5,000万円以下または常時使用する従業員数100人以下 |
| 医療法人、社会福祉法人 | 常時使用する従業員数300人以下 |
| 財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益)、特定非営利法人 | 常時使用する従業員数100人以下 |
介護施設の場合、デジタル化・AI導入補助金の補助対象となる条件は上記の通りです。
会社組織の場合は、資本金と従業員数のどちらか一方が基準以下であれば対象となります。
中小企業や小規模事業者を支援する制度であるため、大規模法人は対象にはなりません。
参考:申請の対象となる方|デジタル化・AI導入補助金2026
補助額・補助率
| 枠 | 対象経費 | 補助額 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 通常枠 |
|
| 中小企業:1/2 一定の最低賃金要件を満たす事業者(※):2/3以内 |
| インボイス枠(インボイス対応類型) |
| <ITツール> 1機能:~50万円 2機能以上:350万円以下 <PC・タブレットなど> ~10万円 <レジ・券売機など> ~20万円 | ~50万円以下:3/4 (小規模事業者:4/5) 50万円~350万円:2/3 ハードウェア購入費:1/2 |
| インボイス枠(電子取引類型) | クラウド利用料(最大2年分) | ~350万円 | 大企業:1/2 中小企業:2/3 |
| セキュリティ対策推進枠 | サイバーセキュリティお助け隊サービスの利用料(最大2年分) | 5万円~150万円 | 中小企業:1/2 小規模事業者:2/3 |
| 複数者連携デジタル化・AI導入枠 |
| (a)インボイス枠対象経費:インボイス枠(インボイス対応類型)と同様 (b)消費動向等分析経費:50万円×グループ構成員数 (a)+(b)合わせて3,000万円まで (c)事務費・専門家経費:200万円 | (a)インボイス枠対象経費:インボイス枠(インボイス対応類型)と同様 (b)・(c):2/3 |
デジタル化・AI導入補助金の補助額・補助率は、上記の通りです。導入予定の製品がどの枠に該当するかを確認し、適切に申請しましょう。
参考:「デジタル化・AI導入補助金」でITツール・AI導入による生産性向上を支援!|中小企業庁
介護施設でデジタル化・AI導入補助金の対象となるツールは?

- 介護記録作成ソフト
- 見守りAI・センサーシステム
- シフト作成・バックオフィスソフト
- 介護保険請求・ケアプラン作成ソフト など
上記は、デジタル化・AI導入補助金の対象となり得る介護業務ツールの一例です。
上記の中でも、事務局の審査を経て対象ITツールとして登録された製品やサービスが補助対象となります。対象製品は、デジタル化・AI導入補助金の公式サイトにある「ITツール検索」で確認可能です。
参考:ITツール・IT導入支援事業者検索|デジタル化・AI導入補助金2026
参考:ITツール活用事例|デジタル化・AI導入補助金2026
介護記録作成ソフト
業務効率化や生産性向上につながる介護記録作成ソフトは、デジタル化・AI導入補助金の通常枠になり得るツールです。ソフトウェア購入費に加え、最大2年分のクラウド利用料やオプション、コンサルティング、サポートの費用なども補助対象に含まれます。
介護記録作成ソフトは、利用者の健康状態や食事、排せつ、服薬などの情報をパソコンやタブレットで記録・管理できるソフトウェアです。入力したデータを職員間で瞬時に共有でき、紙からの転記や記録内容の確認にかかる負担を減らせます。
見守りAI・センサーシステム
見守りAIのソフトウェアやクラウドサービスは、デジタル化・AI導入補助金の通常枠で申請可能な場合があります。
見守りAI・センサーシステムは、利用者の動作を検知し、転倒リスクや異常を職員へ通知する仕組みです。居室を巡回する回数や見守りにかかる負担を減らし、異常時も迅速に対応できるでしょう。
ただし、見守り用のセンサーやカメラなどの機器購入費は補助の対象外です。
参考:デジタル化・AI導入補助金2026 ITツール登録要領
シフト作成・バックオフィスソフト
シフト作成や勤怠管理、給与計算などのソフトは、デジタル化・AI導入補助金の通常枠やインボイス枠(インボイス対応類型)で申請できる場合があります。ただし、インボイス枠を利用する際は、インボイス制度に対応したソフトでなければなりません。
シフト作成ソフトは、職員の希望休や勤務条件、必要な人員数などをもとに、勤務表を作成・管理できます。職員の配置状況を確認しながら調整できるため、シフト作成にかかる負担を軽減できるでしょう。
バックオフィスソフトは、勤怠管理・給与計算・会計・人事など、介護施設の事務業務を効率化するソフトウェアの総称です。手作業による集計や転記を減らし、事務職員や管理者の負担を軽減できます。
参考:インボイス枠(インボイス対応類型)|デジタル化・AI導入補助金2026
介護保険請求・ケアプラン作成ソフト
介護保険請求・ケアプラン作成ソフトは、デジタル化・AI導入補助金の通常枠やインボイス枠(インボイス対応類型)の対象になり得ます。
介護保険請求ソフトは、介護サービスの利用実績をもとに介護報酬を計算し、国民健康保険団体連合会へ提出する請求データを作成できるソフトウェアです。
ケアプラン作成ソフトでは、利用者の課題や目標、提供する介護サービスなどを入力・管理できます。
介護施設がデジタル化・AI導入補助金を申請する手順

- GビズIDプライムアカウント取得
- 介護業界に強い「IT導入支援事業者」の選定
- 計画書の作成と交付申請
- 契約・システム導入
介護施設がデジタル化・AI導入補助金を申請する際は上記4つの手順で進めます。それぞれ詳しくみていきましょう。
参考:新規申請・手続きフロー詳細|デジタル化・AI導入補助金2026
1.GビズIDプライムアカウント取得
デジタル化・AI導入補助金の交付申請には、GビズIDプライムの取得が必要です。GビズIDプライムは、アカウントを一度作成すれば、国の補助金申請や社会保険手続きなど、複数の公的サービスのログインや本人確認に利用できます。
GビズIDプライムのアカウント利用者は、法人代表者自身でなければなりません。アカウントの取得は、状況に応じてオンラインまたは書類で申請します。
また、GビズIDプライムの申請と並行してSECURITY ACTION宣言を実施しましょう。SECURITY ACTIONは、中小企業や小規模事業者が「自社で情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度」です。
参考:GビズID公式サイト
参考:SECURITY ACTIONとは?|情報処理推進機構
2.介護業界に強い「IT導入支援事業者」の選定
GビズIDプライムを申請したら、自施設の課題に合うITツールを取り扱っている「IT導入支援事業者」を選定しましょう。
IT導入支援事業者とは、ITツールの提案・導入や交付申請・導入後のサポートなどを行う事業者です。デジタル化・AI導入補助金の交付申請は、IT導入支援事業者の支援を受けながら共同で行います。
介護業界への導入実績や、介護保険制度・施設業務への理解・導入後のサポート内容を確認して選定しましょう。
IT導入支援事業者は、デジタル化・AI導入補助金の公式サイトにある「ITツール・IT導入支援事業者検索」から検索可能です。対応エリアや導入したいITツールなどをもとに候補を絞り込みましょう。
参考:IT導入支援事業者とは|デジタル化・AI導入補助金2026
参考:ITツール・IT導入支援事業者検索|デジタル化・AI導入補助金2026
3.計画書の作成と交付申請
- IT導入支援事業者から申請マイページへの招待を受け、基本情報を入力する
- 交付申請に必要な情報の入力と必要書類の添付を行う
- IT導入支援事業者が、導入するITツールの情報や事業計画値を入力する
- 介護施設側が申請マイページ上で入力内容を最終確認し、申請に対する宣誓を行ったうえで提出する
計画書の作成と交付申請は、上記の手順で行います。すべての作業を介護施設側だけで進める必要はなく、IT導入支援事業者と相談しながら必要な情報を整理できるため、初めてでも手続きを進めやすいでしょう。
4.契約・システム導入
デジタル化・AI導入補助金の交付決定通知を受けた後、ITツールの発注・契約・支払いを行います。
システムの導入と支払いを終えたら、申請マイページから補助金事務局に事業実績報告が必要です。事業実績報告は、請求書や支払い明細を申請マイページへアップロードする他、IT導入支援事業者による確認や入力が必要な部分もあります。介護施設サイドの作業が終わった後、IT導入支援事業者に作業依頼し、最終確認後に提出しましょう。
参考:交付決定後に必要な手続き|デジタル化・AI導入補助金2026
介護施設がデジタル化・AI導入補助金を活用する際の注意点

- 契約・導入は交付決定後
- 機器のみの購入は原則対象外
- 補助金の申請サポートが手厚いIT導入支援事業者を選ぶ
介護施設がデジタル化・AI導入補助金を活用する際には、上記の3点に注意しましょう。
契約・導入は交付決定後
ITツールの発注・契約・支払いは、必ず交付決定通知を受けた後に行いましょう。交付決定前に製品やサービスの発注・契約・支払いをした場合、補助金を受け取れません。
交付決定まではITツールの選定や見積もりの取得にとどめ、正式な発注や契約を控えましょう。
機器のみの購入は原則対象外
デジタル化・AI導入補助金の通常枠で補助対象となるのは、ソフトウェア購入費やクラウド利用料、オプション、導入に伴う役務などの費用です。ハードウェア購入費は、補助対象経費として認められていません。
インボイス枠(インボイス対応類型)の場合、対象ソフトと併せて導入するパソコンやタブレット、POSレジなどに限り、機器購入費も補助対象に含まれます。
補助金の申請サポートが手厚いIT導入支援事業者を選ぶ
IT導入支援事業者は、自施設に必要なITツールを取り扱い、補助金の申請から導入後の報告まで支援できることを確認してから選びましょう。交付申請や事業実績報告を共同で進めるため、必要書類や入力方法について相談しやすい事業者を選ぶと、介護施設側も手続きを進めやすくなります。
また、申請サポートに追加料金がかかる場合があるため、料金体系を事前に把握しましょう。
デジタル化・AI導入補助金と介護テクノロジー導入・定着支援事業の違い
| 比較項目 | デジタル化・AI導入補助金 | 介護テクノロジー導入・定着支援事業 |
|---|---|---|
| 対象者 | 中小企業・小規模事業者 | 介護サービス事業所 |
| 対象となるツール・機器 | ソフトウェアやクラウドサービスなど | 介護ロボット、ICT機器、介護ソフトなど |
| 管轄 | 中小企業庁が実施しており、全国共通 | 都道府県ごとに実施しており、申請方法や補助率・補助額などが異なる |
デジタル化・AI導入補助金は、幅広い業種を対象に、業務効率化につながるITツールの導入を支援する制度です。一方、介護テクノロジー導入・定着支援事業は、介護事業所における職員の負担軽減や生産性向上を目的として、介護ロボットやICT機器などの導入を支援します。
また、デジタル化・AI導入補助金は、経済産業省の中小企業庁が実施する全国共通の制度です。介護テクノロジー導入・定着支援事業は各都道府県が実施するため、地域によって制度の概要が異なります。
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デジタル化・AI導入補助金を活用して介護施設のIT化を進めよう
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申請する際は、対象ITツールを取り扱うIT導入支援事業者を選び、共同で手続きを進めます。また、交付決定前にITツールの発注・契約・支払いをすると、補助金を受け取れません。
介護テクノロジー導入・定着支援事業も、介護ロボットやICT機器、介護ソフトなどの導入を支援する制度です。ただし、対象経費や申請先、補助条件はデジタル化・AI導入補助金と異なります。
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